AI活用と意思決定デザイン

この授業で作るもの:学校祭デジタル受付アプリ

1学校祭デジタル受付アプリを作る
意思決定AI活用ChatGPTGeminiClaude

この節で学ぶこと

この節では、今回作るアプリの完成イメージを確認します。

今回作るのは、学校祭デジタル受付アプリです。

学校祭やイベントに来た人が、スマホやパソコンから受付フォームに入力すると、受付番号が発行されます。

入力された内容は、Googleスプレッドシートに自動で保存されます。

さらに、管理画面では、来場者数や来場区分、都道府県別の人数などをグラフで確認できます。

ただし、最初から全部のプログラムを理解する必要はありません。

この授業では、まず完成しているコードをコピーして貼り付けます。

そのあと、アプリを動かしながら、どこを変えると何が変わるのかを少しずつ見ていきます。


今回作るアプリの完成イメージ

完成すると、次のような流れで使えるアプリになります。

来場者が受付フォームを開く
↓
氏名や来場区分を入力する
↓
受付するボタンを押す
↓
受付番号が表示される
↓
入力内容がスプレッドシートに保存される
↓
管理画面で来場者数や集計を確認できる

このように、ただ画面を作るだけではなく、入力されたデータを保存し、あとから集計できるアプリを作ります。


受付フォームで入力する内容

来場者は、受付フォームで次の内容を入力します。

入力項目内容
氏名カナ来場者の名前をカタカナで入力します
来場区分保護者、在校生、卒業生、地域の方などを選びます
学年該当する場合のみ選びます
クラスA組、1組などを入力します
来場目的文化祭見学、発表・展示の見学、模擬店利用などを選びます
同伴人数一緒に来た人数を入力します
郵便番号7桁の郵便番号を入力します
都道府県住んでいる都道府県を選びます
市区町村都道府県に合わせて市区町村を選びます
番地・建物名必要であれば住所の続き入力します
出身学校必要であれば出身学校を入力します
備考連絡事項があれば入力します

受付が完了すると表示されるもの

フォームを送信すると、受付完了画面が表示されます。

そこには、次のような受付番号が表示されます。

FES-20260519-0001

この番号は、次のような意味を持っています。

部分意味
FESFestival、学校祭を表す文字
20260519受付した日付
0001受付順の番号

つまり、この番号を見ることで、いつ受付した何番目の来場者かが分かります。


管理画面で見られるもの

このアプリには、受付フォームだけでなく、管理画面もあります。

管理画面では、受付データを集計して、次のような情報を確認できます。

管理画面で見られるもの内容
本日の来場者数今日受付した人数
総受付数これまでに受付した人数
保護者数来場区分が保護者の人数
在校生数来場区分が在校生の人数
目標達成率目標人数に対して何%達成したか
都道府県別グラフどの都道府県から来た人が多いか
市区町村別グラフどの市区町村から来た人が多いか
来場区分グラフ保護者、在校生、卒業生などの割合
時間帯別推移何時ごろに受付が多いか
学年別グラフ学年ごとの人数
来場目的グラフ何を目的に来場した人が多いか
最新受付一覧直近の受付データ

今回使うファイル

今回のアプリでは、2つのファイルを使います。

ファイル名役割
Code.gsデータを保存したり、受付番号を作ったり、集計したりする裏側の処理
index.html受付フォーム、完了画面、管理画面など、画面に見える部分

初心者の方は、まず次のように覚えてください。

Code.gs
→ 裏側の処理

index.html
→ 画面の見た目

Code.gsの役割

Code.gs は、アプリの裏側を担当します。

たとえば、次のような処理です。

処理内容
画面を表示するWebアプリにアクセスされたとき、index.html を表示する
初期設定をする受付データ用のシートや地域マスタを作る
データを保存するフォームから送られた内容をスプレッドシートに保存する
入力内容を確認する氏名カナや郵便番号が正しいか確認する
受付番号を作るFES-日付-番号 の形で番号を作る
管理画面用の集計を作る来場者数や区分別の人数を集計する
パスコードを確認する管理画面に入る人を確認する

index.htmlの役割

index.html は、アプリの見た目を担当します。

たとえば、次のような画面を作ります。

画面内容
受付フォーム来場者が入力する画面
エラー表示入力ミスがあるときに表示するメッセージ
受付完了画面受付番号を表示する画面
管理画面来場状況を確認する画面
グラフ来場者数や区分を視覚的に表示する部分
ボタン受付する、続けて受付する、管理画面を見るなど

アプリの全体像

このアプリの全体の流れは、次のようになります。

index.html
来場者がフォームに入力する
↓
index.html
受付するボタンを押す
↓
Code.gs
入力内容を受け取る
↓
Code.gs
入力内容をチェックする
↓
Code.gs
スプレッドシートに保存する
↓
Code.gs
受付番号を作る
↓
index.html
受付完了画面に番号を表示する

管理画面では、次のような流れになります。

index.html
管理画面を見る
↓
index.html
パスコードを入力する
↓
Code.gs
パスコードを確認する
↓
Code.gs
スプレッドシートのデータを集計する
↓
index.html
グラフや数字として表示する

初心者が最初に理解しておくこと

今回のプログラムは長いです。

そのため、最初から全部の意味を理解しようとすると難しく感じます。

この授業では、次の考え方で進めます。

全部理解する前に、まず動かす

これがとても大切です。


この授業での進め方

今回の授業では、次の順番で進めます。

順番やること
1完成アプリのイメージを知る
2Google Apps Scriptを開く
3Code.gsindex.html を作る
4完成コードをコピーして貼り付ける
5setupApp() を実行する
6Webアプリとして公開する
7受付フォームに入力してみる
8スプレッドシートに保存されたデータを見る
9管理画面を開く
10文字や色を少し変える
11わからないところをAIに質問する
12自分用のイベント受付アプリに変える

この授業で大切にすること

プログラミング初心者にとって、最初に大切なのは、細かい文法を全部覚えることではありません。

大切なのは、次の流れを体験することです。

コードを貼る
↓
保存する
↓
実行する
↓
画面を見る
↓
一部分を変える
↓
もう一度画面を見る
↓
変化を確認する

この流れが分かれば、プログラムを少しずつ自分のものにできます。


この授業でできるようになること

授業が終わるころには、次のことができるようになります。

できるようになること内容
GASのプロジェクトを作れるGoogle Apps Scriptを開いて作業を始められる
2つのファイルを扱えるCode.gsindex.html を使える
完成コードを貼り付けられるコピペでアプリを作れる
初期設定を実行できるsetupApp() を実行できる
Webアプリとして公開できるURLで開けるアプリにできる
フォーム送信を試せる入力して受付番号を表示できる
スプレッドシート保存を確認できる入力データが保存されたことを確認できる
管理画面を見られる集計画面を開いて確認できる
文字や色を変えられるアプリ名やボタン色を変更できる
AIに質問できるエラーや不明点をAIに聞ける

まず覚える言葉

この授業で何度も出てくる言葉を、先に確認します。

言葉意味
GASGoogle Apps Scriptのこと
Webアプリブラウザで開いて使えるアプリ
フォーム入力欄がある画面
スプレッドシート表形式でデータを保存するGoogleの表計算ツール
デプロイ作ったアプリをURLで使えるように公開すること
関数まとまった処理に名前をつけたもの
変数データを一時的に入れておく箱
HTML画面の構造を作る言語
CSS画面の見た目を整える言語
JavaScript画面の動きや処理を書く言語
パスコード管理画面に入るための合言葉

今回は「作る」より「変える」を重視する

この授業では、最初から空白の状態でプログラムを書きません。

完成コードを使います。

理由は、初心者が最初から全部書こうとすると、エラーが多くなり、何が起きているのか分からなくなりやすいからです。

その代わり、次のように進めます。

完成コードを貼る
↓
動く
↓
一部を変える
↓
変化を見る

これにより、プログラムの意味を体験しながら理解できます。


穴埋めで変更する場所

後半では、次のような場所を穴埋めで変更します。

変更するもの
アプリ名学校祭デジタル受付 → オープンキャンパス受付
説明文ご来場ありがとうございます → 本日はご参加ありがとうございます
ボタン文字受付する → 受付を完了する
メインカラー黒 → 青、緑、紫など
管理者パスコード2026 → 自分で決めた番号
目標人数4人 → 100人
来場区分保護者、在校生 → 一般、招待者、スタッフ
来場目的文化祭見学 → 展示見学、体験参加

AIを使って調べる前提で進める

プログラムを書いていると、必ずわからないところが出てきます。

この授業では、わからない時にAIを使って調べる方法も学びます。

たとえば、次のように聞きます。

Google Apps Scriptで学校祭デジタル受付アプリを作っています。
Code.gsとindex.htmlを使っています。

この部分の意味がわかりません。

const DEFAULT_TARGET_VISITOR_COUNT = 4;

初心者にもわかるように説明してください。

このように聞くと、AIは初心者向けに説明しやすくなります。


AIに聞くときの基本

AIに質問するときは、次の4つをセットで伝えます。

1. 何を作っているか
2. 何をしたいか
3. 何に困っているか
4. 関係するコード

悪い聞き方は、次のようなものです。

動きません。

これだけでは、AIも原因を見つけにくいです。

良い聞き方は、次のようなものです。

Google Apps Scriptで学校祭デジタル受付アプリを作っています。

やりたいこと:
管理者パスコードを変更したいです。

困っていること:
コードを変更しても、管理画面に入るパスコードが変わりません。

変更したコード:
const passcode = '1234';

初心者にもわかるように、原因と直し方を教えてください。

このように聞くと、AIから具体的な答えが返ってきやすくなります。


この節のゴール

この節のゴールは、まだコードを書くことではありません。

まず、今回作るアプリの全体像を理解することです。

最後に、次の内容を自分の言葉で説明できれば十分です。

今回作るのは、学校祭の受付アプリである。
来場者がフォームに入力する。
入力内容はスプレッドシートに保存される。
受付番号が自動で発行される。
管理画面では来場者数や集計を確認できる。
Code.gsは裏側の処理。
index.htmlは画面の見た目。
最初はコピペで動かし、あとから穴埋めで変更する。
わからない時はAIに質問してよい。

確認問題

問題1

今回作るアプリの名前は何ですか。

回答

学校祭デジタル受付アプリです。


問題2

来場者が入力した内容は、どこに保存されますか。

回答

Googleスプレッドシートに保存されます。


問題3

Code.gs は何を担当しますか。

回答

データ保存、受付番号の作成、入力チェック、集計など、裏側の処理を担当します。


問題4

index.html は何を担当しますか。

回答

受付フォーム、受付完了画面、管理画面など、画面に見える部分を担当します。


問題5

初心者がこの授業で最初に大切にすることは何ですか。

回答

コードを全部理解する前に、まずコピペで動かして、少しずつ変更してみることです。

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