スプレッドシートに保存されたデータを確認する
この節で学ぶこと
前の節では、Webアプリの受付フォームを実際に動かしました。
氏名カナ、来場区分、来場目的、郵便番号、都道府県、市区町村などを入力して、受付番号が表示されるところまで確認しました。
この節では、フォームから送信した内容が、Googleスプレッドシートに保存されているかを確認します。
今回のアプリでは、受付フォームに入力された内容は、次のシートに保存されます。
受付データ
この節のゴールは、次の流れを理解することです。
受付フォームに入力する
↓
受付するボタンを押す
↓
Code.gsがデータを受け取る
↓
スプレッドシートの受付データに保存される
なぜスプレッドシートを確認するのか
受付完了画面に番号が表示されるだけでも、アプリが動いたように見えます。
しかし、本当に大切なのは、入力されたデータが後から確認できる形で保存されていることです。
学校祭やイベントの受付では、あとから次のような確認をすることがあります。
| 確認したいこと | 例 |
|---|---|
| 何人来場したか | 今日の来場者数を確認する |
| どんな人が来たか | 保護者、在校生、卒業生などを確認する |
| どこから来たか | 都道府県や市区町村を確認する |
| 何を目的に来たか | 模擬店、展示、学校説明会などを確認する |
| 何時ごろ来場が多かったか | 時間帯別の受付数を確認する |
このような確認をするために、フォーム送信データをスプレッドシートに保存します。
1. スプレッドシートを開く
まず、最初に作成したGoogleスプレッドシートを開きます。
ファイル名は、授業で設定した次の名前です。
学校祭デジタル受付
Google Driveから探して開いてもよいです。
すでに開いている場合は、そのタブに戻ります。
確認するシート
画面下にシートのタブがあります。
その中から、次のシートを開きます。
受付データ
このシートが、受付フォームから送信されたデータを保存する場所です。
2. 受付データシートの見出しを確認する
受付データ シートを開くと、1行目に見出しがあります。
これは、前の節で実行した setupApp() によって自動で作られたものです。
見出し一覧
| 列 | 見出し | 意味 |
|---|---|---|
| A | 受付日時 | 受付した日時 |
| B | 受付番号 | 自動発行された番号 |
| C | 氏名カナ | 入力された氏名 |
| D | 来場区分 | 保護者、在校生など |
| E | 学年 | 選択された学年 |
| F | クラス | 入力されたクラス |
| G | 来場目的 | 文化祭見学など |
| H | 同伴人数 | 一緒に来た人数 |
| I | 郵便番号 | 入力された郵便番号 |
| J | 都道府県 | 選択された都道府県 |
| K | 市区町村 | 選択された市区町村 |
| L | 住所詳細 | 番地・建物名 |
| M | 出身学校 | 入力された出身学校 |
| N | 備考 | 入力された備考 |
| O | UserAgent | 使っている端末やブラウザの情報 |
UserAgentとは
UserAgent は、どのブラウザや端末からアクセスしたかを表す情報です。
初心者の方は、今すぐ詳しく覚えなくて大丈夫です。
今回の授業では、次のように理解しておけば十分です。
UserAgent
→ どの環境から受付されたかを記録するための情報
3. 送信したデータが入っているか確認する
前の節で受付フォームから送信した内容が、2行目以降に入っているはずです。
たとえば、前の節で次のように入力した場合です。
| 項目 | 入力例 |
|---|---|
| 氏名カナ | ヤマダ タロウ |
| 来場区分 | 保護者 |
| 学年 | 1年 |
| クラス | A組 |
| 来場目的 | 文化祭見学 |
| 同伴人数 | 2 |
| 郵便番号 | 1000001 |
| 都道府県 | 東京都 |
| 市区町村 | 千代田区 |
| 番地・建物名 | 千代田1-1 |
| 出身学校 | 〇〇小学校 |
| 備考 | 特になし |
スプレッドシートには、次のように保存されます。
| 受付日時 | 受付番号 | 氏名カナ | 来場区分 | 学年 | クラス | 来場目的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026/05/19 10:30:00 | FES-20260519-0001 | ヤマダ タロウ | 保護者 | 1年 | A組 | 文化祭見学 |
実際の日時や受付番号は、自分が操作した日時によって変わります。
4. 受付番号とシートの関係を見る
受付完了画面に表示された受付番号と、スプレッドシートの受付番号を見比べてください。
受付完了画面に、次のように表示されていたとします。
FES-20260519-0001
スプレッドシートのB列にも、同じ受付番号が保存されていれば成功です。
ここで確認すること
| 確認項目 | できたら○ |
|---|---|
| 受付完了画面に受付番号が出た | |
| スプレッドシートのB列にも同じ受付番号がある | |
| 氏名カナがC列に保存されている | |
| 来場区分がD列に保存されている | |
| 来場目的がG列に保存されている | |
| 都道府県と市区町村がJ列・K列に保存されている |
5. 複数件の受付を確認する
前の節で3件ほど受付した場合、スプレッドシートには2行目、3行目、4行目のようにデータが追加されます。
1行目:見出し
2行目:1人目の受付データ
3行目:2人目の受付データ
4行目:3人目の受付データ
受付するたびに、下に1行ずつ追加されます。
これが、フォームとスプレッドシートが連携している状態です。
受付番号の増え方
受付番号の最後の数字も、1件ずつ増えます。
FES-20260519-0001
FES-20260519-0002
FES-20260519-0003
このように増えていれば、受付順に番号が発行されています。
6. どのコードが保存しているのか
ここで、Code.gs の中でデータ保存を担当している部分を確認します。
次の関数が、フォームから送られたデータを保存する処理です。
function submitReception(formData) {
この関数の中に、次のコードがあります。
sheet.appendRow([
now,
receptionNumber,
validatedData.name,
validatedData.visitorType,
validatedData.grade,
validatedData.className,
validatedData.purpose,
validatedData.companions,
validatedData.zipcode,
validatedData.prefecture,
validatedData.city,
validatedData.addressDetail,
validatedData.originSchool,
validatedData.memo,
validatedData.userAgent,
]);
appendRowとは
appendRow は、スプレッドシートの一番下に新しい行を追加するための命令です。
初心者向けに言うと、次の意味です。
appendRow
→ 表の一番下に、新しい受付データを1行追加する
つまり、受付フォームが送信されるたびに、この appendRow が動いて、スプレッドシートに1行追加されます。
7. 保存される順番を理解する
appendRow の中に並んでいる順番と、シートの列の順番は対応しています。
たとえば、次のようになっています。
| appendRowの中身 | 保存される列 |
|---|---|
now | A列:受付日時 |
receptionNumber | B列:受付番号 |
validatedData.name | C列:氏名カナ |
validatedData.visitorType | D列:来場区分 |
validatedData.grade | E列:学年 |
validatedData.className | F列:クラス |
validatedData.purpose | G列:来場目的 |
validatedData.companions | H列:同伴人数 |
validatedData.zipcode | I列:郵便番号 |
validatedData.prefecture | J列:都道府県 |
validatedData.city | K列:市区町村 |
validatedData.addressDetail | L列:住所詳細 |
validatedData.originSchool | M列:出身学校 |
validatedData.memo | N列:備考 |
validatedData.userAgent | O列:UserAgent |
ここで大切なのは、並び順が大事ということです。
列の見出しと、保存するデータの順番がずれると、違う列にデータが入ってしまいます。
8. シートのデータを直接編集してよいか
授業中の確認では、スプレッドシートの中身を見ても大丈夫です。
ただし、基本的には受付データはフォームから登録する前提です。
スプレッドシートを直接編集すると、管理画面の集計に影響することがあります。
直接編集してもよい例
練習中に間違って登録したデータを削除する
テストデータを消して最初からやり直す
見出しを確認する
注意が必要な例
受付番号を手で変える
受付日時を手で変える
列の順番を入れ替える
見出しを消す
特に、列の順番を変えると、管理画面の集計が正しく動かなくなる可能性があります。
9. テストデータを消したい場合
授業で何度もテストすると、スプレッドシートにデータがたくさん入ります。
最初からやり直したい場合は、2行目以降のデータだけを削除します。
削除してよい部分
2行目以降
削除しない方がよい部分
1行目の見出し
1行目の見出しは、アプリがデータを扱うために必要です。
テストデータ削除の手順
1. 受付データシートを開く
2. 2行目以降を選択する
3. 右クリックする
4. 行を削除する
5. 1行目の見出しは残す
これで、受付データを空にできます。
10. よくあるつまずき
つまずき1:受付データシートが見つからない
次を確認してください。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
setupApp() を実行したか | 初期設定でシートが作られます |
| 別のスプレッドシートを見ていないか | GASを開いた元のシートを確認します |
| シートタブが隠れていないか | 画面下部のタブを確認します |
つまずき2:送信したのにデータが入らない
次を確認します。
受付完了画面が表示されたか
エラーが出ていないか
別のスプレッドシートを見ていないか
Webアプリが古いデプロイになっていないか
受付完了画面が表示されているのにデータがない場合は、見ているスプレッドシートが違う可能性もあります。
つまずき3:受付番号がずれている
受付番号は、シートの行番号をもとに作られます。
そのため、途中の行を削除したり、データを並び替えたりすると、思った番号と違って見えることがあります。
授業中は、大きな問題ではありません。
ただし、実際に使う場合は、受付開始前にテストデータを削除しておくと見やすくなります。
つまずき4:列を消してしまった
列や見出しを消してしまうと、アプリが正しく動かないことがあります。
その場合は、次のどちらかで直します。
方法1:
setupApp() をもう一度実行する
方法2:
受付データシートを削除してから setupApp() を実行する
ただし、シートを削除すると、保存済みの受付データも消えます。
必要なデータがある場合は、削除前に確認してください。
11. わからない時にAIへ聞く方法
この節では、スプレッドシートへの保存でつまずくことがあります。
AIに聞くときは、フォームの状況、シートの状況、エラー文をセットで伝えます。
質問例1:データが保存されない
Google Apps Scriptで学校祭デジタル受付アプリを作っています。
受付フォームで入力して、受付完了画面までは表示されました。
しかし、スプレッドシートの受付データシートにデータが入っていません。
確認したこと:
受付データシートはあります。
受付番号は画面に表示されました。
スプレッドシートを再読み込みしました。
初心者にもわかるように、確認する場所を順番に教えてください。
質問例2:appendRowの意味を聞く
Google Apps Scriptで学校祭デジタル受付アプリを作っています。
Code.gsの中に次のコードがあります。
sheet.appendRow([
now,
receptionNumber,
validatedData.name,
validatedData.visitorType
]);
appendRowが何をしているのか、
初心者にもわかるように説明してください。
質問例3:列の順番がわからない
Google Apps Scriptで受付データをスプレッドシートに保存しています。
appendRowの中に並んでいるデータと、
スプレッドシートの列の関係がわかりません。
初心者にもわかるように、
A列、B列、C列のように対応表で説明してください。
質問例4:テストデータを消してよいか聞く
Google Apps Scriptで学校祭デジタル受付アプリを作っています。
授業中にテストデータを何件も登録しました。
受付データシートのデータを消して、最初からやり直したいです。
1行目の見出しは残した方がよいですか。
初心者にもわかるように、安全な削除方法を教えてください。
12. この節のまとめ
この節では、受付フォームから送信したデータがGoogleスプレッドシートに保存されているか確認しました。
大切なポイントは、次の通りです。
- 受付データは
受付データシートに保存される。 - 1行目には見出しが入っている。
- 2行目以降に、受付フォームから送信されたデータが追加される。
- 受付するたびに、下に1行ずつ追加される。
appendRowは、シートの一番下に新しい行を追加する命令。appendRowの順番と、スプレッドシートの列の順番は対応している。- テストデータを消す場合は、基本的に2行目以降を削除する。
- 1行目の見出しは消さない。
- データが保存されない場合は、エラー文や見ているシートを確認する。
- わからない場合は、フォームの状況、シートの状況、エラー文をAIに伝える。
次の節では、管理画面を開き、保存されたデータがダッシュボードでどのように表示されるかを確認します。
確認問題
問題1
受付フォームから送信されたデータは、どのシートに保存されますか。
回答
受付データ シートに保存されます。
問題2
受付データシートの1行目には何が入っていますか。
回答
受付日時、受付番号、氏名カナ、来場区分などの見出しが入っています。
問題3
受付するたびに、データはどのように追加されますか。
回答
スプレッドシートの一番下に、1行ずつ追加されます。
問題4
スプレッドシートに新しい行を追加する命令は何ですか。
回答
appendRow です。
問題5
テストデータを消したい場合、基本的にどこを削除しますか。
回答
1行目の見出しは残して、2行目以降のデータを削除します。
