AI活用概論

AI企画会議アプリを作る:素材から企画案を量産する

10AI自動化実践:Google Opalで記事生成・要約・企画構築ワークフローを作る
概論AI活用ChatGPTGeminiClaude基礎から学ぶ

この節で学ぶこと

今回は、1つの素材から、記事案、SNS案、動画案、LP見出し案など、複数の企画へ展開するAIミニアプリを作ります。

たとえば、次のような素材が1つあったとします。

地域食品ブランドの新商品として、柚子を使った季節限定ドレッシングを発売する。

これを、ただの商品紹介文で終わらせるのではなく、次のように広げます。

記事案
SNS投稿案
ショート動画案
LP見出し案
メールマガジン案
店頭POP案
FAQ案

これが、AI企画会議アプリの考え方です。

Google Opalは、自然言語でAIミニアプリを作成し、編集可能なワークフローに変換できるツールです。Google公式ページでも、自然言語で作りたい内容を入力すると、編集可能なワークフローとAIミニアプリを作れると説明されています。

また、Google Developers Blogでは、Opalは自然言語の指示を視覚的なワークフローへ変換し、コードを書かずに細かく制御できると紹介されています。

まず、言葉を整理します

言葉意味
企画誰に、何を、どのように伝えるかを考えた案のこと
企画案実行前のアイデア。記事案、投稿案、動画案など
素材企画の元になる情報。商品情報、議事録、イベント情報、授業メモなど
展開1つの素材を、複数の形式に変えること
LPランディングページの略。商品やサービスを紹介し、問い合わせや購入につなげるページ
CTA読者に次の行動を促す言葉。例:購入する、問い合わせる、資料を見る
ペルソナ想定する具体的な読者や顧客像
切り口何を中心に見せるかという考え方。例:価格、ストーリー、季節感、使いやすさ
優先順位どの企画から先に実行するかを決める順番
企画会議複数のアイデアを出し、選び、改善する場

AI企画会議アプリは、AIに「何か良い企画を出して」と頼むだけのものではありません。

素材を整理し、読者を分け、媒体ごとに企画を出し、最後に優先順位をつけるアプリです。

なぜ企画会議アプリが必要なのか

文章生成AIを使うと、1つの記事や投稿は作れます。

しかし、実務では次のような悩みが出ます。

記事は作れたけど、SNSにはどう展開すればいいのか。
SNS投稿はできたけど、動画にすると何を見せればいいのか。
LPの見出しにすると、どの言葉がよいのか。
企画案が多すぎて、何からやるべきかわからない。

そこで、AIに「企画会議の進行役」をさせます。

Rendering diagram…

これにより、1つの素材が、複数のコンテンツ企画へ広がります。

今回作るミニアプリ

今回作るのは、次のAIミニアプリです。

AI企画会議アシスタント

入力するものは、商品情報、イベント情報、議事録、授業メモなどです。

出力するものは、複数の企画案です。

入力項目内容
素材企画の元になる情報
目的認知拡大、問い合わせ、購入、学習、採用など
想定読者誰に届けるか
使いたい媒体記事、SNS、動画、LP、メールなど
伝えたい印象上品、親しみやすい、楽しい、信頼感など
注意点未確認情報を断定しない、誇張しないなど

出力するものは、以下です。

出力項目内容
素材の要約元情報の整理
想定読者誰に届けるか
企画の切り口どの方向で見せるか
記事案ブログやコラムの企画
SNS案Instagram、X、Threadsなどの投稿案
動画案ショート動画や説明動画の案
LP見出し案ページの見出しや訴求軸
メール案メルマガや案内文の方向性
優先順位先に実行する企画
確認事項事実確認が必要な内容

Google Opalに入れる完成プロンプト

Google Opalで新しいミニアプリを作成し、以下の指示を入力します。

AI企画会議アシスタントを作ってください。

目的:
1つの素材から、記事案、SNS投稿案、動画案、LP見出し案、メール案など、複数の企画へ展開するAIミニアプリにします。

入力:
・素材
・企画の目的
・想定読者
・使いたい媒体
・伝えたい印象
・必ず入れたい内容
・注意点

処理:
1. 入力された素材の内容を要約する
2. 素材の中から、企画に使える要素を抽出する
3. 想定読者を具体化する
4. 読者の関心や悩みを整理する
5. 企画の切り口を複数出す
6. 記事案を5つ作る
7. SNS投稿案を5つ作る
8. ショート動画案を5つ作る
9. LP見出し案を5つ作る
10. メールまたは案内文の企画案を3つ作る
11. 各企画のメリットと注意点を整理する
12. 実行しやすさ、効果の期待度、素材の有無をもとに優先順位をつける
13. 事実確認が必要な項目を一覧化する

出力形式:
Markdown形式

出力項目:
# AI企画会議アシスタント出力

## 1. 素材の要約
## 2. 企画に使える要素
## 3. 想定読者
## 4. 読者の関心・悩み
## 5. 企画の切り口
## 6. 記事案
## 7. SNS投稿案
## 8. ショート動画案
## 9. LP見出し案
## 10. メール・案内文案
## 11. 各企画のメリットと注意点
## 12. 優先順位
## 13. 事実確認が必要な項目
## 14. 次に作るべきもの

条件:
・素材にない事実を勝手に追加しない
・未確認情報は「要確認」と書く
・誇張表現や断定表現を避ける
・媒体ごとに向いた見せ方を変える
・初心者にもわかる言葉で出力する
・専門用語には短い説明を添える
・人間が最終確認する前提で出力する

Opalは、自然言語で作ったワークフローを編集し、プロンプトやツールを調整できると公式ブログで説明されています。

そのため、まずは上のプロンプトで基本形を作り、後から「SNSだけ増やす」「動画案だけ深掘りする」などの変更を加えると扱いやすくなります。

サンプル入力1:地域食品ブランドの商品を企画化する

まずは、地域食品ブランドの新商品を題材にします。

# サンプル入力1

## 素材
地域食品ブランドが、柚子を使った季節限定ドレッシングを発売する。
地元の農家から仕入れた柚子を使用しており、香りの良さが特徴。
サラダだけでなく、焼き魚、蒸し鶏、冷しゃぶにも使える。
ギフトセットにも入れる予定。
発売時期は秋を予定しているが、正確な発売日は未確認。
商品写真はまだ撮影前。
価格も未定。

## 企画の目的
新商品の認知を広げ、発売前から興味を持ってもらう。

## 想定読者
地域の食材や季節限定商品に関心がある30〜50代の女性。
家族の食事やギフト選びにも関心がある人。

## 使いたい媒体
・ブログ記事
・Instagram投稿
・ショート動画
・LP
・メールマガジン

## 伝えたい印象
季節感があり、上品で、食卓が少し楽しくなる印象。

## 必ず入れたい内容
・地元の柚子を使っていること
・サラダ以外にも使えること
・秋の季節限定であること
・ギフトにも向いていること

## 注意点
・発売日と価格は未確認として扱う
・商品写真はまだない前提で企画する
・効果を誇張しない
・実在しない販売実績を作らない

この入力では、素材が1つでも、複数の企画に展開できます。

期待される出力の形

# AI企画会議アシスタント出力

## 1. 素材の要約
地域食品ブランドが、地元の柚子を使った季節限定ドレッシングを発売予定です。香りの良さと、サラダ以外にも使える汎用性が特徴です。発売日は未確認、価格は未定、商品写真は撮影前です。

## 2. 企画に使える要素
・地元の柚子を使用
・秋の季節限定
・サラダ以外にも使える
・焼き魚、蒸し鶏、冷しゃぶとの相性
・ギフトセットにも展開予定
・発売前の期待感づくり

## 3. 想定読者
・季節感のある食材に関心がある人
・家族の食卓を少し楽しくしたい人
・地域食品やギフトを探している人
・料理のアレンジを知りたい人

## 4. 読者の関心・悩み
・いつもの料理を少し変えたい
・季節感のある調味料を使いたい
・ギフトに使える商品を探している
・ドレッシングをサラダ以外にも使いたい

## 5. 企画の切り口
1. 秋の食卓を楽しむ切り口
2. 地元食材を味わう切り口
3. サラダ以外の使い方を提案する切り口
4. ギフト需要に合わせた切り口
5. 発売前の期待感を高める切り口

## 6. 記事案
1. 秋の食卓に香りを添える、柚子ドレッシングの楽しみ方
2. サラダだけじゃない。柚子ドレッシングの使い道5選
3. 地元の柚子から生まれる、季節限定商品の裏側
4. 食卓にも贈り物にも。秋に選びたい地域食品ギフト
5. 発売前に知っておきたい、柚子ドレッシングの魅力

## 7. SNS投稿案
1. 「秋の食卓に、柚子の香りを。」新商品予告投稿
2. サラダ以外にも使えるドレッシング活用投稿
3. 地元の柚子を使った季節限定商品の紹介投稿
4. ギフトセットに入る予定の商品としての予告投稿
5. 発売前カウントダウン投稿

## 8. ショート動画案
1. 柚子ドレッシングをサラダにかける15秒動画
2. 焼き魚に少しかける使い方案
3. 蒸し鶏に合わせる食卓シーン
4. ギフト箱に商品を入れるイメージ動画
5. 柚子の香りを感じるような季節感動画

## 9. LP見出し案
1. 秋の食卓に、柚子の香りを。
2. サラダだけで終わらない、季節限定ドレッシング。
3. 地元の柚子から生まれた、秋だけの味わい。
4. 食卓にも、贈り物にも。
5. いつもの一皿に、ささやかな季節感を。

## 10. メール・案内文案
1. 季節限定ドレッシング発売予定のお知らせ
2. 秋のギフトセットに入る新商品のご案内
3. 発売前に知っておきたい使い方紹介メール

## 11. 各企画のメリットと注意点
### 記事企画
メリット:商品の背景や使い方を丁寧に伝えられる。
注意点:発売日や価格を断定しない。

### SNS企画
メリット:発売前の期待感を作りやすい。
注意点:商品写真がない場合は、素材写真やイメージ表現に注意する。

### 動画企画
メリット:使い方が直感的に伝わる。
注意点:実際の商品写真や調理シーンの撮影が必要。

### LP見出し
メリット:購入や予約につながる導線を作りやすい。
注意点:未確定情報を載せない。

## 12. 優先順位
1. SNS予告投稿
2. 使い方紹介記事
3. 商品写真撮影
4. LP見出し作成
5. メール案内文作成

理由:
発売日や価格が未定のため、まずは予告投稿と使い方提案で興味を高めるのが安全です。商品写真が撮影できた後に、LPやメールへ展開すると自然です。

## 13. 事実確認が必要な項目
・発売日
・価格
・内容量
・原材料表示
・ギフトセットの内容
・商品写真
・販売場所
・予約受付の有無

## 14. 次に作るべきもの
まずは、Instagramの予告投稿案と、商品写真撮影のためのカットリストを作ると進めやすいです。

この出力を見ると、1つの商品素材から、記事、SNS、動画、LP、メールへ展開できていることがわかります。

サンプル入力2:イベント素材から集客企画を作る

次は、イベントの事例です。

# サンプル入力3

## 素材
大垣市で、架空の食イベント「水都おおがき肉フェス」を企画している。
肉料理をテーマに、焼肉、ステーキ、からあげ、肉寿司、地元野菜との組み合わせなど、さまざまな食べ方を楽しめるイベントにしたい。
家族連れ、友人同士、観光客が楽しめる雰囲気を目指している。
開催日、会場、出店者、チケット価格は未定。
イベント名やロゴ、SNS発信、告知ページの企画を作りたい。

## 企画の目的
架空イベントの魅力を整理し、告知に使える企画案を作る。

## 想定読者
週末に家族や友人と楽しめるイベントを探している人

## 使いたい媒体
・告知記事
・Instagram投稿
・ショート動画
・LP見出し
・チラシ見出し

## 伝えたい印象
楽しく、食欲をそそり、家族でも参加しやすい印象。

## 必ず入れたい内容
・肉料理の多様さ
・大垣らしさ
・家族でも楽しめる雰囲気
・写真を撮りたくなる会場演出
・未定情報は断定しないこと

## 注意点
・開催日、会場、出店者、価格は未定として扱う
・実在の店舗名を勝手に出さない
・来場者数や実績を作らない

この例では、未定情報を断定しないことが重要です。

企画案を評価する

AIが企画案をたくさん出してくれると、次に迷うのは「どれからやるか」です。

そこで、評価基準を入れます。

評価項目意味
実行しやすさすぐに作れるか
効果の期待度読者や顧客に届きやすいか
素材の有無写真、文章、情報がそろっているか
リスクの低さ未確認情報や誇張表現が少ないか
次につながるか記事、SNS、LPなどに展開しやすいか

Opalに追加する指示は、次のようにします。

各企画案を、以下の5項目で評価してください。

評価項目:
・実行しやすさ
・効果の期待度
・素材の有無
・リスクの低さ
・次への展開しやすさ

それぞれ5段階で評価し、最後に優先順位をつけてください。

精度が低いときの改善方法

企画案が物足りない場合は、次のように直します。

症状追加する指示
企画が一般的素材ならではの特徴を必ず反映してください。
SNS案が弱い1枚目のタイトル、本文、画像イメージまで出してください。
動画案が曖昧冒頭3秒、見せるシーン、最後の一言まで作ってください。
LP案が弱いファーストビュー、課題提示、魅力、CTAの順で見出しを作ってください。
企画が多すぎる実行優先度の高い順に3つだけ選んでください。
未確認情報を断定する未確認情報は必ず「要確認」と明記してください。
似た企画ばかり出る読者、媒体、切り口が重ならないようにしてください。

自分用に改造する

サンプルで動かしたら、自分の用途に合わせて変えます。

SNS運用向け

このミニアプリを、SNS運用の企画会議アプリに変更してください。

追加する出力:
・Instagram投稿案
・リール案
・ストーリーズ案
・X投稿案
・投稿カレンダー案
・ハッシュタグ案
・撮影に必要な素材リスト

商品販売向け

このミニアプリを、商品販売の企画会議アプリに変更してください。

追加する出力:
・商品紹介記事案
・LP見出し案
・メール案内文
・店頭POP案
・ギフト訴求案
・FAQ案
・購入前の不安を解消する説明案

授業教材向け

このミニアプリを、授業教材企画アプリに変更してください。

追加する出力:
・教材タイトル案
・授業の流れ
・演習課題
・復習記事案
・確認テスト案
・ショート解説動画案

この節のまとめ

この節では、1つの素材から、複数の企画へ展開するAI企画会議アプリを作りました。

前の節までは、記事やレポートを定期的に作る流れを学びました。

今回は、その前段階として「何を作るか」を広げる方法を学びました。

Rendering diagram…

AI企画会議アプリの価値は、アイデアを増やすことだけではありません。

素材を整理する。

読者を考える。

媒体ごとに切り口を変える。

企画を評価する。

優先順位をつける。

ここまでできると、AIは単なる文章作成ツールではなく、企画会議の相棒になります。

次の節では、こうしたワークフローで使うプロンプトを「部品」として整理し、再利用できる形にしていきます。

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