AI活用概論

画像生成AIを「自分の生活」に使う

1画像生成AI活用:視覚表現とコンセプト設計の応用
概論AI活用ChatGPTGeminiClaude基礎から学ぶ

この節で学ぶこと

この章では、Google AI StudioとNano Bananaを使って、画像生成AIの基本を学びます。

画像生成AIとは、文章で指示を出すことで画像を作ったり、手元の写真を編集したりできるAIです。Google AI for Developersでは、Nano BananaはGeminiの画像生成・編集機能として説明されており、テキスト、画像、またはその組み合わせから画像生成・編集ができるとされています。

ただし、この授業では「すごい画像を作って終わり」にはしません。

目的は、皆さんが、学校生活・SNS・アルバイト・就職活動・作品制作の中で、実際に使える画像を作れるようになることです。

たとえば、次のような場面を想像してください。

よくある場面画像生成AIでできること
授業発表の表紙が地味発表テーマに合う表紙画像を作る
SNSに載せる画像がない勉強記録や制作記録の投稿画像を作る
ポートフォリオが弱く見える自分の作品を見栄えよく紹介する画像を作る
イベント告知が目立たない学校行事やサークル活動の告知画像を作る
アルバイト先や地域のお店を紹介したいお店の雰囲気が伝わるSNS画像を作る

画像生成AIは、デザインの代わりをすべてやってくれるものではありません。

しかし、「何を伝えたいのか」を整理し、それを画像として見せるための強力な道具になります。

この章で使うツール

この章では、主に以下を使います。

ツール役割
Google AI StudioGemini系のモデルを試せる開発・実験環境
Nano BananaGeminiの画像生成・画像編集機能
ChatGPTまたはGeminiプロンプトの下書きや改善案づくりに使う
Canva、Google Slidesなど生成画像に文字を重ねたり、発表資料に使ったりする

Google AI Studioには、Geminiの画像モデルを試せるページが用意されています。Nano Banana ProはGoogle AI Studioでも利用できる画像生成モデルとして案内されています。

また、Geminiの画像生成ページでは、Nano Banana 2を使って画像生成や写真編集ができると説明されています。

この節のゴール

この節のゴールは、画像生成AIを「遊び」ではなく「自分の制作や発表に使える道具」として理解することです。

この節が終わるころには、次のことが説明できるようになります。

到達目標内容
画像生成AIとは何かを説明できる文章や画像をもとに、新しい画像を作るAIだと理解する
Nano Bananaでできることを理解できる画像生成と画像編集の両方に使えることを知る
自分の生活で使える場面を考えられる授業、SNS、就活、作品制作などに応用できる
画像生成で注意すべきことを理解できる文字崩れ、権利、事実の断定、不自然な人物表現に注意できる
この章で作る成果物を理解できる自分の場面に合わせた画像を1枚完成させる

画像生成AIでできること

画像生成AIでは、次のようなことができます。

1. 文章から画像を作る

たとえば、次のように入力します。

授業発表の表紙に使う画像を作成してください。
テーマは「AIを使った未来の働き方」です。
明るく、前向きで、専門学生の発表らしい雰囲気にしてください。
画像内に文字は入れず、後からタイトルを入れられる余白を作ってください。

すると、AIはその指示に近い画像を作ります。

ここで大切なのは、単に「かっこいい画像」と頼まないことです。

何に使うのか、誰に見せるのか、どんな雰囲気にしたいのかを伝えると、使いやすい画像になりやすくなります。

2. 写真を編集する

手元の写真をアップロードして、雰囲気を整えることもできます。

たとえば、次のような使い方です。

この作品写真を、ポートフォリオに載せられるように、背景を明るく整理してください。
作品の形は変えず、机の生活感を減らしてください。

これは、作品制作や就職活動にかなり使いやすいです。

自分で作ったアプリ画面、Webサイト、立体作品、イラスト、写真作品などを、ただの記録写真ではなく「見せるための画像」に近づけられます。

3. アイデアを可視化する

まだ完成していない企画でも、イメージ画像を作ることができます。

例です。

架空の学校イベント「夜のキャンパスフェス」の告知画像を作ってください。
夕方から夜にかけて、校舎の前に屋台とライトが並び、学生が楽しんでいる雰囲気にしてください。
開催日や料金などの文字情報は入れないでください。

これにより、頭の中にある企画を、相手に見せられる形にできます。

画像生成AIが苦手なこと

便利ですが、苦手なこともあります。

ここを知らずに使うと、提出物やSNS投稿で失敗しやすくなります。

苦手なこと注意点
正確な日本語文字画像内の文字が崩れることがある
実在ロゴの再現商標や著作権に注意が必要
実在人物に似せること本人確認や権利の配慮が必要
手や顔の細部不自然になることがある
事実の保証開催日、価格、実績などを勝手に作ることがある
一発で完成デザインにすること人間の確認と修正が必要

特に大切なのは、文字は後から入れるという考え方です。

画像生成AIに日本語タイトルまで入れさせると、文字が崩れることがあります。

そのため、授業ではまず「背景画像をAIで作る」「文字はCanvaやGoogle Slidesで後から入れる」という方法を基本にします。

この章で扱う身近な場面

この章では、専門学生が実際に使いやすい場面を題材にします。

場面1:授業発表の表紙画像

授業発表で、最初のスライドが地味だと、内容まで弱く見えてしまうことがあります。

画像生成AIを使えば、発表テーマに合わせた表紙画像を作れます。

例:

テーマ:
AIを使った未来の働き方

使う場所:
授業発表の1枚目

見せたい相手:
先生とクラスメイト

場面2:SNS投稿画像

勉強記録や制作記録をSNSに投稿したいとき、写真がないと投稿しにくいことがあります。

画像生成AIを使えば、雰囲気のある背景画像を作れます。

例:

テーマ:
今日からプログラミング学習を始めた

使う場所:
Instagram、Threads、X

見せたい相手:
友人、同じ分野を学ぶ人、将来の仕事関係者

場面3:ポートフォリオ画像

就職活動では、自分の作品をどう見せるかが重要です。

ただスクリーンショットを貼るだけでなく、作品が魅力的に見える画像を作ることで、印象が変わります。

例:

テーマ:
自分で作ったアプリを紹介する

使う場所:
ポートフォリオサイト、提出資料

見せたい相手:
採用担当者、先生、企業担当者

場面4:イベント告知画像

学校行事、サークル活動、地域イベント、展示会などの告知にも使えます。

例:

テーマ:
架空の学校フードイベント

使う場所:
SNS告知、ポスター、LINE共有

見せたい相手:
学生、友人、地域の人

場面5:アルバイト先・地域のお店紹介

カフェ、飲食店、古着屋、雑貨屋などを紹介したいときにも使えます。

写真が足りない場合でも、雰囲気を伝えるイメージ画像を作れます。

例:

テーマ:
小さな地域カフェの紹介

使う場所:
SNS投稿、簡単なWebページ、提案資料

見せたい相手:
友人、地域の人、お店の担当者

この章を通して作る成果物

この章の最後には、受講生それぞれが、自分の使いたい場面に合わせて画像を1枚完成させます。

完成物は、次の5点です。

1. 自分が作りたい画像の目的メモ
2. 画像生成プロンプト
3. 生成した画像
4. 改善前・改善後の比較
5. 公開前チェックリスト

たとえば、授業発表に使う人は、次のようになります。

目的:
授業発表の表紙に使う

プロンプト:
AIを使った未来の働き方をテーマにした、明るい授業発表用ビジュアルを作る

生成画像:
16:9のスライド表紙画像

改善:
文字を減らす、余白を増やす、学生向けにする

チェック:
タイトルを後から入れられるか、変な文字がないか、発表内容と合っているか

最初に覚えるプロンプトの型

この章では、まず以下の型を使います。

何を作るか:
どこで使うか:
誰に見せるか:
伝えたいこと:
主役:
背景:
雰囲気:
色:
構図:
入れたくないもの:
画像サイズ:

この型に沿って書けば、初めてでもプロンプトを作りやすくなります。

サンプル

何を作るか:
授業発表の表紙画像

どこで使うか:
Google Slidesの1枚目

誰に見せるか:
先生とクラスメイト

伝えたいこと:
AIを使った未来の働き方について、前向きに考える発表であること

主役:
ノートPCの前で考えている学生の後ろ姿

背景:
明るい教室、または未来感のある学習空間

雰囲気:
明るい、前向き、わかりやすい、少し未来感

色:
白、淡いブルー、ライトグレー

構図:
左側にタイトルを入れる余白、右側にノートPCと学生

入れたくないもの:
細かい文字、実在ロゴ、顔がはっきりした人物

画像サイズ:
16:9

演習

まず、自分が画像生成AIを使いたい場面を1つ選びます。

番号場面選択
1授業発表の表紙を作りたい
2SNS投稿画像を作りたい
3ポートフォリオ画像を作りたい
4イベント告知画像を作りたい
5アルバイト先や地域のお店を紹介したい
6その他、自分の制作に使いたい

選んだら、次のテンプレートを埋めます。

私が作りたい画像:
使う場所:
見せたい相手:
伝えたいこと:
雰囲気:
入れたい要素:
入れたくない要素:
画像サイズ:

記入例

私が作りたい画像:
ポートフォリオサイトのトップ画像

使う場所:
就職活動用のポートフォリオサイト

見せたい相手:
採用担当者

伝えたいこと:
自分がアプリ制作を学び、実際に作品を作っていること

雰囲気:
清潔感、前向き、少しプロっぽい

入れたい要素:
スマートフォンの画面、コード、ノート、アイデアメモ

入れたくない要素:
実在アプリのロゴ、細かい文字、派手すぎるサイバー表現

画像サイズ:
16:9

授業での注意

画像生成AIを使うときは、次の点に注意します。

  • 実在するロゴやキャラクターを勝手に使わない。
  • 実在人物に似せた画像を勝手に作らない。
  • 開催日、価格、実績など、確認していない情報を画像に入れない。
  • 画像内の文字は崩れることがあるため、重要な文字は後から入れる。
  • 生成画像をそのまま提出・公開せず、人間が確認する。
  • 無料アカウントでは、生成回数や使える機能に制限がある場合がある。

GoogleのGemini画像生成ページでも、AI画像生成はGoogleがGeminiアプリを提供している国と言語で利用できると案内されていますが、利用できる機能やモデルは環境によって異なる場合があります。

この節のまとめ

この節では、画像生成AIを「自分の生活に使う」ための入口を学びました。

重要なのは、画像生成AIをただの遊び道具として見るのではなく、次のような制作に活かすことです。

  • 授業発表を見やすくする。
  • SNS投稿を魅力的にする。
  • ポートフォリオを整える。
  • イベント告知を目立たせる。
  • 身近なお店や地域の活動を伝える。

そして、最初に考えるべきことは、きれいな画像を作ることではありません。

誰に見せるのか。
何を伝えたいのか。
どこで使うのか。
どんな印象にしたいのか。

ここを決めることで、画像生成AIはかなり使いやすくなります。

次の節では、Nano Bananaを使って、実際に「テキストから画像を作る」基本操作に進みます。

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