Nano Bananaの基本:テキストから画像を作る
この節で学ぶこと
前の節では、画像生成AIを「自分の生活に使える道具」として考えました。
この節では、実際にGoogle AI Studioを開き、Nano Bananaを使って、文章だけで画像を作る基本操作を学びます。
今回、新しく習得する技術は次の1つです。
テキストプロンプトから画像を生成する
「プロンプト」とは、AIに出す指示文のことです。
画像生成AIでは、次のような文章を入力します。
授業発表の表紙に使う、明るく前向きな16:9の画像を作成してください。
すると、AIがその文章をもとに画像を作ってくれます。
Google AI for Developersでは、Nano BananaはGeminiの画像生成機能であり、テキスト、画像、またはその組み合わせから画像生成・編集ができると説明されています。Nano Bananaには複数のモデルがあり、Nano Banana 2、Nano Banana Pro、Nano Bananaなどが案内されています。
今回作るもの
今回作るのは、授業発表に使えるスライド表紙画像です。
専門学生の授業では、発表資料を作る機会があります。
たとえば、次のような発表です。
発表テーマ:
AIを使った未来の働き方
このとき、1枚目のスライドが文字だけだと、少し地味に見えることがあります。
そこで、Nano Bananaを使って、発表テーマに合う表紙画像を作ります。
完成イメージは、次のようなものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使う場所 | Google Slides、PowerPoint、Canvaなどの表紙 |
| 画像サイズ | 16:9の横長 |
| テーマ | AIを使った未来の働き方 |
| 見せる相手 | 先生、クラスメイト |
| 雰囲気 | 明るい、前向き、わかりやすい |
| 注意点 | 画像内に細かい文字を入れない |
なぜ「スライド表紙画像」から始めるのか
最初の題材としてスライド表紙画像を作る理由は、受講生にとって使う場面が想像しやすいからです。
画像生成AIは、いきなり難しい作品づくりに使う必要はありません。
まずは、次のような小さな困りごとに使えば十分です。
発表資料の見た目を少し良くしたい。
でも、自分でデザインするのは苦手。
画像素材を探す時間もない。
このようなとき、画像生成AIはかなり便利です。
Google AI Studioを開く
まず、Google AI Studioを開きます。
Google AI Studioは、Geminiのモデルを試すためのGoogleの開発・実験環境です。Nano Banana ProはGoogle AI Studioでも試せる画像モデルとして案内されています。
授業では、次の流れで進めます。
1. Google AI Studioを開く
2. Googleアカウントでログインする
3. 画像生成に対応したモデルを選ぶ
4. プロンプトを入力する
5. 生成された画像を確認する
利用できるモデル名や画面表示は、時期やアカウントによって変わることがあります。
そのため、授業では画面の名称を丸暗記するよりも、次の考え方を覚えてください。
画像生成に対応したGeminiモデルを選ぶ
↓
テキストで作りたい画像を説明する
↓
生成結果を確認する
↓
必要に応じて指示を直す
最初のプロンプトを作る
まずは、短いプロンプトで試してみます。
授業発表の表紙に使う画像を作成してください。
テーマは「AIを使った未来の働き方」です。
明るく、前向きで、専門学生の発表らしい雰囲気にしてください。
画像サイズは16:9の横長にしてください。
画像内に文字は入れないでください。
これだけでも、画像は作れます。
ただし、AIにとってはまだ少し情報が足りません。
たとえば、次の情報が曖昧です。
| 足りない情報 | なぜ必要か |
|---|---|
| 主役 | 何を中心に描けばよいか分からない |
| 背景 | 教室なのか、オフィスなのか、未来都市なのか分からない |
| 構図 | どこに余白を作るか分からない |
| 色 | 落ち着いた印象か、派手な印象か分からない |
そこで、もう少し具体的にします。
改善したプロンプト
授業発表の表紙に使う16:9の横長画像を作成してください。
テーマは「AIを使った未来の働き方」です。
見せる相手は、先生とクラスメイトです。
専門学生の発表らしく、わかりやすく、明るく、前向きな印象にしてください。
構図:
右側にノートPCを置き、画面の中に仕事、学習、アイデア、チームワークを表すシンプルなアイコンが浮かんでいるイメージにしてください。
左側には、後からスライド上でタイトルを入れられる余白を作ってください。
色:
白、淡いブルー、ライトグレーを中心にしてください。
注意点:
画像内に文字は入れないでください。
実在する企業ロゴやアプリロゴは入れないでください。
人物の顔ははっきり映さず、後ろ姿や手元中心にしてください。
過剰なサイバー感や派手な光は控えてください。
このプロンプトでは、AIに伝える情報が増えています。
プロンプトの中身を分解する
上のプロンプトは、いくつかの部品でできています。
| 部品 | 例 |
|---|---|
| 何を作るか | 授業発表の表紙画像 |
| サイズ | 16:9の横長 |
| テーマ | AIを使った未来の働き方 |
| 見せる相手 | 先生とクラスメイト |
| 雰囲気 | 明るく、前向き、わかりやすい |
| 構図 | 右にPC、左に余白 |
| 色 | 白、淡いブルー、ライトグレー |
| 入れたくないもの | 文字、実在ロゴ、はっきりした顔 |
画像生成では、このように分解して考えると失敗しにくくなります。
生成された画像を確認する
画像が生成されたら、すぐに「完成」と考えないでください。
まず、次の観点で確認します。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| テーマに合っているか | 未来の働き方に見えるか |
| 発表資料に使えそうか | 派手すぎないか、暗すぎないか |
| 余白があるか | タイトルを後から入れられるか |
| 文字が入っていないか | 変な文字や読めない文字がないか |
| ロゴが入っていないか | 実在企業っぽいロゴがないか |
| 人物が不自然でないか | 手や顔に違和感がないか |
| 16:9になっているか | スライド表紙に合う横長か |
特に大切なのは、画像内に文字を入れないことです。
重要なタイトルや説明文は、あとからGoogle Slides、PowerPoint、Canvaなどで入れた方が安全です。
よくある失敗と直し方
最初の生成では、思った通りにならないことがあります。
それは普通です。
画像生成AIは、1回で完成させるというより、会話しながら直していく道具です。
| よくある失敗 | 直す指示 |
|---|---|
| 文字が入ってしまう | 画像内の文字をすべて削除してください |
| 余白が少ない | 左側にタイトル用の余白を広く作ってください |
| 暗すぎる | もっと明るく、授業発表向けにしてください |
| サイバー感が強すぎる | 過剰な発光を抑え、自然で清潔感のある雰囲気にしてください |
| 人物の顔が目立つ | 顔をはっきり映さず、後ろ姿や手元中心にしてください |
| ごちゃごちゃしている | 要素を減らし、シンプルな構図にしてください |
改善指示の例
1回目の画像が出たあと、次のように指示します。
全体の方向性は良いです。
ただし、画像内に文字が入っているため、文字をすべてなくしてください。
左側にタイトルを入れたいので、左側の余白をもっと広くしてください。
サイバー感が少し強いため、白と淡いブルーを中心に、授業発表で使いやすい清潔感のある雰囲気にしてください。
このように、良い点を残しながら、直したい点を具体的に伝えます。
便利な使い方:発表前日の時短に使う
ここで、専門学生が使いやすい例を考えてみます。
発表前日に、次のような状況になることがあります。
スライドの内容はできた。
でも、表紙がただの白背景で地味。
画像素材を探している時間がない。
ネット画像を適当に使うのも不安。
このとき、Nano Bananaを使えば、発表テーマに合う表紙画像を短時間で作れます。
さらに、画像内に文字を入れなければ、あとからスライド上でタイトルを自由に調整できます。
これは、かなり実用的です。
画像生成AIで背景を作る
↓
Google Slidesでタイトルを入れる
↓
発表資料の表紙にする
この使い方を覚えるだけでも、発表資料の印象は大きく変わります。
実習:自分の発表テーマで表紙画像を作る
ここからは実習です。
まず、自分の発表テーマを1つ決めます。
例です。
| 発表テーマ | 表紙画像の方向性 |
|---|---|
| AIを使った未来の働き方 | 明るい学習空間、PC、アイデア |
| 地域イベントの企画 | 屋外イベント、にぎわい、夕方の光 |
| 自分のアプリ制作 | スマホ画面、コード、UI設計 |
| SNSマーケティング | スマホ、投稿画面、分析グラフ |
| 環境問題への取り組み | 緑、街、未来の暮らし |
次のテンプレートを埋めます。
発表テーマ:
使う場所:
見せる相手:
伝えたい印象:
主役:
背景:
色:
構図:
入れたくないもの:
画像サイズ:
記入例
発表テーマ:
自分で作った家計簿アプリの紹介
使う場所:
授業発表の1枚目
見せる相手:
先生とクラスメイト
伝えたい印象:
使いやすそう、生活に役立ちそう、学生でも作れるアプリ
主役:
スマートフォンのアプリ画面風モックアップ
背景:
机の上、ノート、ペン、少し生活感のある部屋
色:
白、グリーン、ライトグレー
構図:
右側にスマートフォン、左側にタイトルを入れる余白
入れたくないもの:
実在アプリのロゴ、細かい文字、人物の顔
画像サイズ:
16:9
この内容をもとに、プロンプトにします。
プロンプト例
授業発表の表紙に使う16:9の横長画像を作成してください。
テーマは「自分で作った家計簿アプリの紹介」です。
先生とクラスメイトに向けて、使いやすそうで、生活に役立ちそうな印象にしてください。
右側にスマートフォンのアプリ画面風モックアップを配置し、左側には後からタイトルを入れられる余白を作ってください。
背景は、机の上にノートやペンが置かれている、学生の生活に近い雰囲気にしてください。
色は白、グリーン、ライトグレーを中心にしてください。
画像内に文字は入れないでください。
実在するアプリロゴや企業ロゴは入れないでください。
人物の顔は入れないでください。
生成後の記録を残す
授業では、画像を作って終わりにしません。
次の内容をメモします。
使ったプロンプト:
生成された画像の良かった点:
気になった点:
次に改善したい指示:
記録を残す理由は、次回以降も使えるようにするためです。
画像生成AIは、良いプロンプトを保存しておくほど、どんどん使いやすくなります。
ミニ課題
以下のどれか1つを選び、16:9のスライド表紙画像を作ってください。
| 番号 | テーマ |
|---|---|
| 1 | AIを使った未来の働き方 |
| 2 | 自分で作ったアプリの紹介 |
| 3 | 学校イベントの企画発表 |
| 4 | SNSマーケティングの提案 |
| 5 | 地域のお店を紹介する発表 |
| 6 | 自分で決めたテーマ |
提出するものは、次の4つです。
1. 発表テーマ
2. 使用したプロンプト
3. 生成した画像
4. 改善したい点を1つ
この節のまとめ
この節では、Nano Bananaを使って、テキストから画像を作る基本を学びました。
重要なポイントは、次の通りです。
- 画像生成AIには、文章で指示を出す。
- 指示文のことをプロンプトという。
- 何を作るか、どこで使うか、誰に見せるかを具体的に書く。
- 最初は、授業発表の表紙画像のような身近な用途から始める。
- 画像内の重要な文字は、AIに入れさせず、後からスライド上で入れる。
- 1回で完成させようとせず、改善指示を出して直していく。
- 使ったプロンプトと改善点を記録しておく。
次の節では、さらに失敗しにくい画像を作るために、プロンプトを「型」として整理する方法を学びます。
