場面1:授業発表のスライド表紙を作る
この節で学ぶこと
前の節では、画像生成AIに伝わりやすいプロンプトの型を学びました。
今回は、その型を使って、実際に授業発表で使える16:9のスライド表紙画像を作ります。
この節で新しく習得する技術は、次の1つです。
16:9の横長画像を、スライド表紙用に設計する
画像生成AIで画像を作るだけなら、すでに前の節でできました。
今回は、さらに一歩進めて、スライドの1枚目に使いやすい画像を作ることを目指します。
なぜスライド表紙が大切なのか
授業発表では、最初の1枚目で印象が決まります。
内容がしっかりしていても、表紙がただの白背景に文字だけだと、少し地味に見えることがあります。
たとえば、次の2つを比べてみてください。
パターンA:
白背景に「AIを使った未来の働き方」と文字だけ
パターンB:
明るい教室、ノートPC、未来の働き方を感じるビジュアルの上にタイトル
同じ内容でも、パターンBの方が「ちゃんと準備されている発表」に見えやすくなります。
ただし、ここで大切なのは、派手にすることではありません。
発表内容が伝わりやすくなる表紙を作ることが目的です。
今回作るもの
今回は、次のようなスライド表紙画像を作ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作るもの | 授業発表用の表紙画像 |
| 画像サイズ | 16:9の横長 |
| 使う場所 | Google Slides、PowerPoint、Canva |
| 見せる相手 | 先生、クラスメイト |
| 目的 | 発表テーマをわかりやすく、印象よく伝える |
| 注意点 | 画像内の文字は少なめ、重要な文字は後から入れる |
今回の発表テーマ
授業では、例として次のテーマを使います。
AIを使った未来の働き方
このテーマをもとに、スライド表紙に使う画像を作ります。
スライド表紙画像で大切な3つのこと
スライド表紙画像を作るときは、次の3つを意識します。
1. タイトルを入れる余白があること
表紙画像には、あとからタイトルを入れます。
そのため、画像全体が細かい要素で埋まっていると、文字を置く場所がなくなります。
良い例:
左側に余白がある
上部に余白がある
背景がシンプル
悪い例:
画面全体に人物やアイコンが多い
背景が細かすぎる
文字を入れる場所がない
授業では、基本的に左側にタイトル用の余白、右側にビジュアルという構図を使います。
2. 発表テーマに合っていること
表紙画像は、発表の内容と合っている必要があります。
たとえば、「AIを使った未来の働き方」というテーマなのに、ただの宇宙船やロボットだけの画像だと、少しズレて見えます。
このテーマであれば、次のような要素が合いやすいです。
| 要素 | 理由 |
|---|---|
| ノートPC | 働き方や学習をイメージしやすい |
| 学生の後ろ姿 | 専門学生の発表に合いやすい |
| アイデアを表す図形 | 未来や企画の印象が出る |
| 教室やワークスペース | 学習・仕事の場面に見える |
| 淡いブルーや白 | AI、清潔感、未来感を出しやすい |
3. 派手すぎないこと
画像生成AIは、強く指示しないと、かなり派手な画像を作ることがあります。
たとえば、
強すぎる青い光
大量のデジタル文字
映画のようなサイバー空間
ロボットだらけの画面
このような画像はかっこよく見えることもありますが、授業発表の表紙としては少し使いにくい場合があります。
今回は、清潔感があり、発表に使いやすい画像を目指します。
1. まずは設計メモを作る
いきなり画像生成AIに入力するのではなく、まず設計メモを作ります。
ワークシート1:表紙画像の設計メモ
発表テーマ:
使う場所:
見せる相手:
伝えたい印象:
主役:
背景:
色:
構図:
入れたくないもの:
画像サイズ:
記入例
発表テーマ:
AIを使った未来の働き方
使う場所:
Google Slidesの1枚目
見せる相手:
先生とクラスメイト
伝えたい印象:
AIを難しいものではなく、これからの仕事や学習に役立つものとして伝えたい
主役:
ノートPCと、PCに向かう学生の後ろ姿
背景:
明るい教室、または未来感のある学習スペース
色:
白、淡いブルー、ライトグレー
構図:
左側にタイトルを入れる余白、右側にノートPCと人物
入れたくないもの:
細かい文字、実在ロゴ、顔がはっきりした人物、派手すぎるサイバー表現
画像サイズ:
16:9
2. 設計メモをプロンプトに変える
次に、設計メモをもとに、Nano Bananaに入力する文章を作ります。
プロンプト例
授業発表の表紙に使う16:9の横長画像を作成してください。
テーマは「AIを使った未来の働き方」です。
この画像は、Google Slidesの1枚目に使います。
見せる相手は、先生とクラスメイトです。
AIを難しいものではなく、これからの仕事や学習に役立つものとして前向きに伝えられる画像にしてください。
右側には、ノートPCに向かっている学生の後ろ姿を配置してください。
PC画面の周りには、仕事、学習、アイデア、チームワークを表すシンプルなアイコンや図形が浮かんでいるイメージにしてください。
背景は、明るい教室、または未来感のある学習スペースにしてください。
色は、白、淡いブルー、ライトグレーを中心にしてください。
左側には、後からスライド上でタイトルを入れられる広い余白を作ってください。
画像内に文字は入れないでください。
実在する企業ロゴやアプリロゴは入れないでください。
人物の顔ははっきり映さず、後ろ姿や手元中心にしてください。
派手すぎるサイバー表現や強すぎる光は避けてください。
ポイント解説
このプロンプトには、重要な情報が入っています。
| 指示 | 役割 |
|---|---|
| 16:9の横長画像 | スライドに合わせるため |
| Google Slidesの1枚目 | 使う場所を明確にするため |
| 先生とクラスメイト | 見る人を想定するため |
| 右側に主役 | 構図を安定させるため |
| 左側に余白 | タイトルを後から入れるため |
| 画像内に文字は入れない | 文字崩れを避けるため |
| 実在ロゴは入れない | 権利の問題を避けるため |
| 派手すぎる表現を避ける | 授業発表に使いやすくするため |
3. Nano Bananaで画像を生成する
ここから実際に手を動かします。
作業手順
1. Google AI Studioを開く
2. 画像生成に対応したモデルを選ぶ
3. プロンプト欄に先ほどの文章を貼り付ける
4. 画像を生成する
5. 生成された画像を保存する
1回目は、完璧でなくて大丈夫です。
大切なのは、AIがどのように解釈したかを見ることです。
4. 生成画像をチェックする
生成された画像を見て、スライド表紙として使えるか確認します。
チェックリスト
| 確認項目 | ○ / △ / × | メモ |
|---|---|---|
| 16:9の横長になっている | ||
| 発表テーマに合っている | ||
| 左側にタイトル用の余白がある | ||
| 右側に主役がある | ||
| 先生やクラスメイトに見せやすい | ||
| 色が明るく、清潔感がある | ||
| 画像内に変な文字がない | ||
| 実在ロゴのようなものがない | ||
| 人物の顔がはっきり出すぎていない | ||
| 派手すぎない |
ワークシート2:生成画像の振り返り
良かった点:
気になった点:
表紙として使えそうな場所:
改善したいこと:
記入例
良かった点:
白と淡いブルーの色が発表に合っていた。
右側にPCがあり、未来の働き方というテーマに合っていた。
気になった点:
左側の余白が少なく、タイトルを入れにくい。
PC画面の中に読めない文字が入っていた。
少しサイバー感が強かった。
表紙として使えそうな場所:
Google Slidesの1枚目に使えそう。
改善したいこと:
左側の余白を増やす。
画像内の文字をなくす。
もう少し自然な教室の雰囲気にする。
5. 改善プロンプトを作る
画像生成AIは、1回で完成させるよりも、改善しながら近づける方が使いやすいです。
改善するときは、次の3つを入れます。
残したい点
直したい点
追加したい条件
改善プロンプトの例
全体の方向性は良いです。
白と淡いブルーの清潔感、ノートPCを使った構図はそのまま残してください。
ただし、左側にタイトルを入れる余白が少ないため、左側をもっと広く空けてください。
PC画面や背景に入っている読めない文字をすべてなくしてください。
サイバー感が少し強いため、強い発光や複雑なデジタル表現を減らしてください。
専門学生の授業発表に使いやすい、明るく自然な教室の雰囲気にしてください。
ワークシート3:自分用の改善プロンプト
残したい点:
直したい点:
追加したい条件:
改善プロンプト:
6. 2回目を生成する
改善プロンプトを使って、もう一度画像を生成します。
生成したら、1回目と2回目を比較します。
比較表
| 比較項目 | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| 余白 | ||
| 文字の少なさ | ||
| テーマとの相性 | ||
| 色の見やすさ | ||
| 授業発表らしさ | ||
| 使いやすさ |
振り返り
1回目より良くなった点:
まだ気になる点:
実際にスライド表紙として使うなら、どこにタイトルを置くか:
次に直すなら何を直すか:
7. Google Slidesに配置する
画像が完成したら、Google Slidesに配置してみます。
ここで重要なのは、画像生成AIにタイトル文字まで入れさせないことです。
タイトルは、スライド側で入れます。
手順
1. Google Slidesを開く
2. 新しいスライドを作る
3. 生成画像を背景または画像として配置する
4. 左側の余白にタイトルを入れる
5. サブタイトル、名前、日付を入れる
6. 文字が読みやすいか確認する
タイトル例
AIを使った未来の働き方
サブタイトル例
専門学生が考える、これからの学びと仕事
発表者情報例
〇〇専門学校
氏名:〇〇 〇〇
8. 文字を入れるときのポイント
スライドに文字を入れるときは、読みやすさを大切にします。
見やすい文字入れのコツ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 文字サイズ | タイトルは大きめにする |
| 文字数 | 長すぎるタイトルにしない |
| 色 | 背景としっかり差をつける |
| 位置 | 余白のある場所に置く |
| 行間 | 詰めすぎない |
| 装飾 | 影や縁取りを使いすぎない |
悪い例
タイトルが小さすぎる
背景と文字の色が近すぎる
文字を画像の細かい部分の上に置いている
タイトルが長すぎて読みにくい
良い例
タイトルが大きい
背景がシンプルな場所に文字を置いている
白背景なら濃い文字、暗い背景なら白文字にしている
サブタイトルは短くまとめている
9. 専門学生におすすめの使い方
この技術は、授業発表以外にも使えます。
使える場面
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 課題発表 | 表紙画像を作る |
| グループ発表 | チームのテーマに合う画像を作る |
| 卒業制作 | 作品紹介スライドの表紙を作る |
| 就職活動 | ポートフォリオの表紙を作る |
| アルバイト先の提案 | 店舗紹介資料の表紙を作る |
| イベント企画 | 企画書の表紙を作る |
特に便利なのは、まだ写真素材がない企画の表紙を作れることです。
たとえば、イベント企画の発表で、まだ実際の写真がない場合でも、イメージビジュアルを作れます。
架空の学校イベントの企画発表に使う表紙画像を作成してください。
夕方の校舎前に屋台とライトが並び、学生が集まっている雰囲気にしてください。
画像内に文字は入れず、左側にタイトル用の余白を作ってください。
16:9の横長画像にしてください。
これだけで、企画書の表紙やスライドの1枚目に使える画像を作れます。
10. 実習課題
課題内容
自分の発表テーマを1つ決めて、16:9のスライド表紙画像を作ってください。
テーマ例
| 番号 | テーマ |
|---|---|
| 1 | AIを使った未来の働き方 |
| 2 | 自分で作ったアプリの紹介 |
| 3 | 学校イベントの企画発表 |
| 4 | 地域のお店を紹介する提案 |
| 5 | SNSマーケティングの提案 |
| 6 | 卒業制作の中間発表 |
| 7 | 自分で決めたテーマ |
提出するもの
1. 発表テーマ
2. 1回目のプロンプト
3. 1回目の生成画像
4. 改善プロンプト
5. 2回目の生成画像
6. Google Slidesに配置した表紙
7. 改善して良くなった点
8. まだ直したい点
提出テンプレート
発表テーマ:
1回目のプロンプト:
1回目の画像を見て良かった点:
1回目の画像で気になった点:
改善プロンプト:
2回目の画像を見て良くなった点:
Google Slidesに入れたタイトル:
まだ直したい点:
11. この節のまとめ
この節では、授業発表に使える16:9のスライド表紙画像を作りました。
大切なポイントは、次の通りです。
- スライド表紙は、発表の第一印象を決める。
- 画像生成AIでは、表紙用の背景画像を作ると使いやすい。
- タイトル文字は、AIに入れさせず、Google Slidesなどで後から入れる。
- スライド表紙では、タイトルを入れる余白が重要。
- 16:9の横長画像を指定すると、スライドに使いやすい。
- 派手すぎる画像より、発表内容が伝わりやすい画像を目指す。
- 1回目で完成させず、改善プロンプトで直していく。
- 完成した画像は、実際にスライドへ配置して確認する。
次の節では、SNS投稿に使える正方形画像を作ります。授業発表とは違い、SNSでは一瞬で目に止まることが大切です。画像サイズや構図の考え方も変わってきます。
