画像編集1:手元の写真を雰囲気よく整える
この節で学ぶこと
前の節では、アルバイト先や地域のお店を紹介するためのSNS画像を作りました。
今回は、すでに手元にある写真を使って、画像生成AIで雰囲気を整える方法を学びます。
この節で新しく習得する技術は、次の1つです。
手元の写真をアップロードして、明るさ・雰囲気・背景・構図を整える
ここまでの授業では、文章だけで画像を作ってきました。
今回は少し進んで、自分が撮った写真をもとに編集する練習をします。
たとえば、次のような写真です。
| 手元の写真 | 編集後の使い道 |
|---|---|
| 授業で作った作品の写真 | ポートフォリオ掲載用 |
| アプリ画面のスクリーンショット | 作品紹介画像 |
| 手作りアクセサリーの写真 | SNS投稿用 |
| アルバイト先の商品写真 | 投稿案・提案資料 |
| ノートや制作メモの写真 | 勉強記録・制作記録 |
画像生成AIは、ゼロから画像を作るだけではありません。
手元にある写真を「もっと見やすく」「もっと伝わりやすく」整えることにも使えます。
なぜ写真編集を学ぶのか
専門学生の皆さんは、これから作品や課題を見せる場面が増えていきます。
たとえば、就職活動ではポートフォリオを作ります。
授業では、制作物を発表することもあります。
SNSでは、自分の学びや制作過程を投稿することもあります。
このとき、作品自体が良くても、写真が暗い・背景が散らかっている・見せたいものが分かりにくいと、少しもったいない印象になります。
作品は良い。
でも、写真の見せ方で損をしている。
これはよくあります。
画像生成AIを使うと、手元の写真をもとに、見せたい目的に合わせて整えられます。
今回作るもの
今回は、次のような画像を作ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作るもの | ポートフォリオに載せやすい作品写真 |
| 入力 | 自分で撮った作品写真、またはサンプル写真 |
| 使う場所 | ポートフォリオ、発表資料、SNS投稿 |
| 目的 | 作品が見やすく、魅力的に伝わるようにする |
| 注意点 | 作品そのものの形や内容を勝手に変えない |
今回のテーマ
授業では、例として次のテーマを使います。
スマホで撮った作品写真を、ポートフォリオに載せやすい雰囲気に整える
ここで大切なのは、作品自体を別物にしないことです。
たとえば、アプリ画面を作ったなら、画面デザインを勝手に変えてはいけません。
ハンドメイド作品なら、作品の形や色を変えすぎてはいけません。
課題制作物なら、実際に作っていないものを追加してはいけません。
画像生成AIで整えるのは、主に次の部分です。
明るさ
背景
余白
雰囲気
見せ方
構図
1. 写真編集で大切な3つのこと
1. 作品そのものは変えすぎない
ポートフォリオや課題提出で使う画像では、作品そのものを大きく変えないことが大切です。
AIで編集すると、作品の形や色、文字、画面内容が変わってしまうことがあります。
たとえば、次のような編集は注意が必要です。
実際にはない機能がアプリ画面に追加される
作品の色が別物になる
ロゴや文字が変わる
形がきれいになりすぎて、実物と違って見える
これは、自分の作品を正しく伝えるという意味では危険です。
そのため、プロンプトには必ず次のように入れます。
作品そのものの形、色、内容は変えないでください。
背景と明るさだけを整えてください。
2. 背景を整理する
写真が見にくくなる大きな原因の1つは、背景です。
机の上に関係ないものが写っていたり、部屋の生活感が強かったりすると、作品に集中しにくくなります。
背景を整えるだけで、印象はかなり変わります。
| よくある状態 | 編集の方向性 |
|---|---|
| 机の上が散らかっている | 背景をシンプルにする |
| 部屋が暗い | 明るく自然光のある雰囲気にする |
| 作品と背景が同化している | 背景を少しぼかす |
| 余白が少ない | 周囲に余白を作る |
| 生活感が強い | ポートフォリオ向けに整える |
3. 使う場所に合わせて整える
同じ写真でも、使う場所によって編集の方向性は変わります。
| 使う場所 | 編集の方向性 |
|---|---|
| ポートフォリオ | 清潔感、見やすさ、作品中心 |
| SNS投稿 | 雰囲気、親しみやすさ、投稿感 |
| 発表資料 | 余白、明るさ、説明しやすさ |
| お店紹介 | 温かさ、商品のおいしそうな印象 |
| 就職活動 | 過度に派手にせず、信頼感を出す |
今回は、まずポートフォリオ向けに整える練習をします。
2. まずは編集前の写真を用意する
手元に写真がある人は、自分の写真を使います。
写真がない場合は、次のようなものを撮影しても大丈夫です。
| 撮影するもの | 例 |
|---|---|
| 授業で作った作品 | アプリ画面、Webサイト、デザイン課題 |
| 学習道具 | ノートPC、ノート、ペン |
| 手元の制作物 | イラスト、模型、アクセサリー |
| 商品風のもの | 飲み物、焼き菓子、雑貨 |
| スクリーンショット | 自分で作った画面 |
撮影するときのコツ
AIで編集できるとはいえ、元の写真が見やすい方が結果も良くなります。
| コツ | 理由 |
|---|---|
| ピントを合わせる | 作品がぼやけると編集しにくい |
| 明るい場所で撮る | 暗すぎる写真は不自然になりやすい |
| 作品全体を入れる | 途中で切れていると使いにくい |
| 余計なものを少し避ける | 背景整理が楽になる |
| 真上・斜め・正面など複数撮る | 使いやすい角度を選べる |
3. 編集前に目的を決める
写真をアップロードする前に、何のために編集するのかを決めます。
ワークシート1:写真編集の目的メモ
編集したい写真:
使う場所:
見せたい相手:
伝えたいこと:
残したいもの:
変えたいもの:
変えたくないもの:
画像サイズ:
記入例
編集したい写真:
自分で作ったアプリ画面をスマホで撮った写真
使う場所:
ポートフォリオサイト
見せたい相手:
採用担当者、先生
伝えたいこと:
自分がアプリのUIを設計して、実際に形にできること
残したいもの:
スマホ画面の内容、アプリの見た目、色
変えたいもの:
背景の生活感、暗さ、机の上のごちゃつき
変えたくないもの:
アプリ画面の文字、色、レイアウト、機能
画像サイズ:
16:9、または1:1
4. Nano Bananaに写真をアップロードする
ここから実際に手を動かします。
作業手順
1. Google AI Studioを開く
2. 画像編集に対応したモデルを選ぶ
3. 編集したい写真をアップロードする
4. 編集内容をプロンプトで入力する
5. 画像を生成する
6. 編集前と編集後を比較する
ここで大切なのは、何を変えて、何を変えないかをはっきり書くことです。
5. 写真編集用プロンプトを作る
悪いプロンプト例
この写真をいい感じにしてください。
これは曖昧すぎます。
AIにとって、「いい感じ」が何を意味するのか分かりません。
明るくするのか。
背景を変えるのか。
作品を目立たせるのか。
SNS向けにするのか。
ポートフォリオ向けにするのか。
これらが分からないため、思っていない編集になる可能性があります。
良いプロンプト例
この写真を、ポートフォリオに載せやすい作品紹介画像として整えてください。
作品そのものの形、色、文字、レイアウトは変えないでください。
背景の生活感を減らし、白とライトグレーを中心にした清潔感のある背景にしてください。
全体を少し明るくし、作品が見やすいようにしてください。
机の上の不要なものは目立たないようにしてください。
作品の周りに少し余白を作り、発表資料にも使いやすい構図にしてください。
実在しないロゴ、文字、装飾、機能を追加しないでください。
ポイント解説
このプロンプトには、写真編集で大切な要素が入っています。
| 指示 | 役割 |
|---|---|
| ポートフォリオに載せやすい | 使う目的を明確にする |
| 作品そのものは変えない | 実物とのズレを防ぐ |
| 背景の生活感を減らす | 作品に集中しやすくする |
| 白とライトグレー | 清潔感を出す |
| 少し明るくする | 見やすくする |
| 余白を作る | 資料やWebに使いやすくする |
| 余計な文字やロゴを追加しない | 誤情報や不自然さを避ける |
6. 編集後の画像をチェックする
生成された画像を見て、編集が成功しているか確認します。
チェックリスト
| 確認項目 | ○ / △ / × | メモ |
|---|---|---|
| 作品そのものが変わっていない | ||
| 色や形が大きく変わっていない | ||
| 文字や画面内容が勝手に変わっていない | ||
| 背景が整理されている | ||
| 明るく見やすくなっている | ||
| 作品が主役に見える | ||
| 余白ができている | ||
| 不自然な追加物がない | ||
| ポートフォリオに載せやすい | ||
| 編集前より伝わりやすくなっている |
ワークシート2:編集後の振り返り
編集前の問題点:
編集後に良くなった点:
作品そのものが変わっていないか:
気になった点:
さらに直したいこと:
記入例
編集前の問題点:
写真が暗く、背景に関係ないものが多かった。
スマホ画面よりも机の上の物が目立っていた。
編集後に良くなった点:
背景が整理されて、スマホ画面が見やすくなった。
全体が明るくなり、ポートフォリオに載せやすい雰囲気になった。
作品そのものが変わっていないか:
アプリ画面の色はほぼ同じだが、一部の文字が変わっているように見える。
気になった点:
画面内の文字が少し変化しているため、提出用には注意が必要。
さらに直したいこと:
アプリ画面の中身は完全にそのまま残し、背景だけを整えたい。
7. 改善プロンプトを作る
写真編集では、作品そのものが変わってしまった場合、必ず修正します。
改善プロンプト例
背景の整理と明るさは良くなりました。
ただし、作品の画面内容が一部変わっているため、作品そのものは元の写真から変更しないでください。
スマホ画面の文字、色、レイアウト、アイコンは元のまま残してください。
編集するのは背景、明るさ、余白だけにしてください。
背景は清潔感のある白とライトグレーに整え、作品が見やすいようにしてください。
ワークシート3:自分用の改善プロンプト
残したい点:
直したい点:
絶対に変えたくない点:
改善プロンプト:
8. 2回目を生成する
改善プロンプトを使って、もう一度編集します。
比較表
| 比較項目 | 編集前 | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|---|
| 作品の正確さ | |||
| 背景の整理 | |||
| 明るさ | |||
| 余白 | |||
| ポートフォリオ向き | |||
| 不自然な追加物 |
振り返り
2回目で良くなった点:
まだ気になる点:
実際に使うならどの画像を選ぶか:
その理由:
9. 写真編集で使えるプロンプト集
ここでは、目的別に使えるプロンプトを紹介します。
ポートフォリオ向け
この写真を、ポートフォリオに載せやすい作品紹介画像として整えてください。
作品そのものの形、色、文字、レイアウトは変えないでください。
背景を白とライトグレー中心の清潔感ある雰囲気に整え、作品が見やすいようにしてください。
全体を少し明るくし、作品の周りに余白を作ってください。
実在しないロゴ、文字、装飾、機能を追加しないでください。
SNS投稿向け
この写真を、SNS投稿に使いやすい雰囲気に整えてください。
写真の主役は変えず、背景を少し整理してください。
明るく、親しみやすく、自然な雰囲気にしてください。
画像内に新しい文字やロゴは追加しないでください。
発表資料向け
この写真を、授業発表のスライドに使いやすい画像として整えてください。
主役はそのまま残し、背景をシンプルにしてください。
左側、または上部にタイトルを入れられる余白を作ってください。
全体を明るく見やすくし、余計な文字やロゴは追加しないでください。
お店紹介向け
この商品写真を、お店紹介のSNS投稿に使いやすい雰囲気に整えてください。
商品そのものの形や色は変えないでください。
背景を温かく、清潔感のある雰囲気に整えてください。
商品が主役として見えるように、背景を少しぼかしてください。
店名、価格、住所、営業時間などの文字情報は追加しないでください。
10. 思ってもみない便利な使い方
1. 課題提出前の作品写真を整える
授業で作品写真を提出する場合、少し整えるだけで見やすくなります。
ただし、作品そのものを変えるのではなく、背景や明るさだけを整えます。
作品はそのまま。
見せ方だけを整える。
この考え方が大切です。
2. スクリーンショットを作品紹介風にする
自分で作ったWebサイトやアプリのスクリーンショットを、そのまま貼るだけでは少し地味に見えることがあります。
その場合、次のように使えます。
このスクリーンショットを、ポートフォリオ用の作品紹介画像として整えてください。
ノートPCのモックアップ上に自然に表示されているようにしてください。
画面内容は変えないでください。
これにより、作品紹介らしい見せ方にできます。
3. フリマ・ハンドメイド販売の商品写真を整える
アクセサリー、雑貨、イラスト作品などを販売・紹介したい場合にも使えます。
この商品の形や色は変えず、背景を明るく整理してください。
ハンドメイド作品らしい温かい雰囲気にしてください。
写真の見せ方が整うと、商品の印象も変わります。
4. アルバイト先の商品写真を提案用に整える
お店の商品写真を、投稿案として整えることもできます。
ただし、実際にお店のSNSで使う場合は、必ずお店の許可を取ります。
この商品写真を、SNS投稿案として見やすく整えてください。
商品そのものは変えず、背景と明るさだけを整えてください。
11. 実習課題
課題内容
手元の写真を1枚選び、Nano Bananaで雰囲気を整えてください。
写真がない場合は、スマホで次のどれかを撮影します。
| 番号 | 撮影するもの |
|---|---|
| 1 | 自分のノートPCや学習机 |
| 2 | 授業で作った作品 |
| 3 | 自分のアプリ画面やWebサイト |
| 4 | ノートや制作メモ |
| 5 | 身近な小物や雑貨 |
| 6 | 架空の商品紹介用に使うもの |
提出するもの
1. 編集した写真
2. 使う目的
3. 1回目の編集プロンプト
4. 1回目の編集後画像
5. 良かった点
6. 気になった点
7. 改善プロンプト
8. 2回目の編集後画像
9. 作品そのものを変えないために注意した点
10. 実際にどこで使えそうか
提出テンプレート
編集した写真:
使う目的:
見せたい相手:
1回目の編集プロンプト:
1回目の編集後画像を見て良かった点:
1回目の編集後画像で気になった点:
改善プロンプト:
2回目の編集後画像を見て良くなった点:
作品そのものを変えないために注意した点:
実際にどこで使えそうか:
12. この節のまとめ
この節では、手元の写真をアップロードして、画像生成AIで雰囲気よく整える方法を学びました。
大切なポイントは、次の通りです。
- 画像生成AIは、ゼロから画像を作るだけでなく、写真編集にも使える。
- 写真編集では、何を変えるか、何を変えないかをはっきり指定する。
- ポートフォリオや課題提出では、作品そのものを変えすぎない。
- 背景、明るさ、余白を整えるだけでも印象は良くなる。
- 生成後は、作品の形、色、文字、レイアウトが変わっていないか確認する。
- 不自然な追加物や、実在しない文字・ロゴが入っていないか確認する。
- 編集前と編集後を比較し、改善プロンプトで調整する。
- 手元の写真を整えられると、ポートフォリオ、SNS、発表資料、アルバイト先の提案に使いやすくなる。
次の節では、さらに一歩進めて、写真の背景を変えたり、不要な背景を整理したりする方法を学びます。作品や商品をもっと見やすくするための背景変更に挑戦します。
